中小企業診断士試験を勉強する中でも最後に勉強することが多い科目である中小企業経営・政策。
暗記中心の科目で、暗記が得意な方であれば8割以上の得点も期待でき、7科目全体で6割という目標に対して助けになる科目にもなります。
本記事では中小企業経営・政策についてまとめていきます。
【本記事の内容】
・中小企業経営・政策の概要と出題内容について
・中小企業経営・政策の合格率の推移
・中小企業経営・政策の勉強時間について
・中小企業経営・政策の勉強法について
上記を深掘りして、解説していきます。
元銀行員で、現在はベンチャー企業で中小企業診断士の資格を活かしながらITツールを用いた業務効率化コンサルティングを行っています。
26歳で中小企業診断士2次試験に合格・登録。
<1次試験の成績>
・企業経営理論 60点
・財務会計 88点
・運営管理 52点
・経済学・経済政策 92点
・経営法務:60点
・経営情報システム:52点
・中小企業経営・政策: 78点
【合計得点】482点
おすすめの通信講座はスタディング(旧通勤講座)と診断士ゼミナール。
大手予備校の1/4程度の金額で、高い品質の講義を受講することができます。
スタディング(旧通勤講座)では1科目のみの受講も可能、かつ無料登録で動画を試しに聞いてみることもできるので、気になる方はチェックしましょう。

中小企業診断士 中小企業経営・政策の概要
中小企業経営・政策の概要
科目 | 試験時間 | 配点 |
経済学・経済政策 | 60分 | 100点 |
財務・会計 | 60分 | 100点 |
企業経営理論 | 90分 | 100点 |
運営管理 | 90分 | 100点 |
経営法務 | 60分 | 100点 |
経営情報システム | 60分 | 100点 |
中小企業経営・政策 | 90分 | 100点 |
中小企業経営・政策は中小企業白書に記載されている統計データに関する問題や、中小企業が享受できる国の施策(補助金)に関する知識を問われる科目です。
中小企業診断士試験の2日目の日程で試験時間は60分、配点は100点となります。
また、中小企業経営・政策の科目単体での合格ラインは60点となります。
中小企業経営・政策の科目設置の目的
中小企業診断士は、中小企業に対するコンサルタントとしての役割を期待されており、中小企業経営の特徴を踏まえて、経営分析や経営戦略の策定等の診断・助言を行う必要がある。そこで、企業経営の実態や各種統計等により、経済・産業における中小企業の役割や位置づけを理解するとともに、中小企業の経営特質や経営における大企業との相違を把握する必要がある。また、創業や中小企業経営の診断・助言を行う際には、国や地方自治体等が講じている各種の政策を、成長ステージや経営課題に合わせて適切に活用することが有効である。このため、中小企業の経営や中小企業政策全般について、以下の内容を中心に知識を判定する。
※令和3年度中小企業診断士第1次試験案内より引用
中小企業経営・政策では中小企業の様々な統計データを学習し、どのような課題に企業が困っているのか、などを学習します。
また、中小企業診断士の多くが企業に対して支援しているのが補助金の申請のサポートです。
中小企業経営・政策では補助金などに関する知識を身につけられます。
中小企業経営・政策の出題範囲
中小企業経営・政策の出題内容は大きく下記の2つに分かれます。
【中小企業経営・政策の出題内容】
・中小企業経営
・中小企業政策
毎年42問出題されますが、21問ずつの出題で50点ずつの配点となっています。
上記の内容について簡単に深掘りしていきます。
中小企業経営
中小企業経営では、中小企業白書の内容をもとに、中小企業や小規模企業の経営状況の変化(業種毎の利益率の変化や労働生産性の変化など)やITの利活用状況、設備投資の状況などについて出題されます。
マクロ的な視点において中小企業や小規模・零細企業がどのような経営環境に置かれているのかなどを統計を用いて把握していきます。
中小企業政策
中小企業政策では、中小企業基本法や小規模基本法に始まり、国などの行政機関による中小企業への支援(補助金や助成金など)について学習します。
国が中小企業に対してどのような施策を行っているのかを覚えていきましょう。
中小企業経営・政策の合格率の推移と難易度
年度 | H26年度 | H27年度 | H28年度 | H29年度 | H30年度 |
合格率 | 31.2% | 12.2% | 12.5% | 10.9% | 23.0% |
年度毎の合格率の推移
年度 | 合格率 |
H29年度 | 10.9% |
H30年度 | 23.0% |
R1年度 | 5.6% |
R2年度 | 16.4% |
R3年度 | 7.1% |
直近5年間の合格率の推移は上記のとおりとなります。
令和1年度と令和3年度は合格率が10%未満となり、難易度は高くなっています。
▼下記の記事で全科目の過去8年分の合格率の推移をまとめています。

中小企業経営・政策の勉強時間
中小企業経営・政策の合格までの勉強時間は50時間程度となります。
2次試験との関連性も低いので、この科目に勉強時間の比重を置きすぎないようにしましょう。
ただし、「覚えればすぐに得点があがりやすい」という特徴もあるので、試験前1ヶ月くらいは勉強の比重を少し高めにおいて、他の試験で60点を下回るものの補充的な形で得点を積み上げられるとベストです。
中小企業診断士 中小企業経営・政策:勉強法
中小企業経営・政策の勉強の進め方について
<テキストと過去問が最重要です>
この科目では「テキスト+過去問」の内容を覚える、ということが他の科目と比較しても特に重要です。(むしろ、参考書籍や別の資格試験で知識を補充するなどはほとんど意味がありませんので、とにかく最新版のテキスト+過去問で勉強です)
<【必須】テキストと過去問は必ず最新版を利用する>
また、絶対に押さえなくてはいけないところは「テキストと過去問は必ず最新版」を買うようにしてください。
試験では最新版の中小企業白書の内容をもとに出題されるので、過去のテキストを使っていると過去の中小企業白書の内容をもとに結論を書いているので、解答が違うケースがあります。
<中小企業経営・政策の試験の特徴>
この科目は全体を通して、特に暗記色が強いです。
難しいのは、暗記をしている内容自体に深い意味のようなものはないということです。
特に中所企業経営では統計結果の暗記が中心なので日本の中小企業がどのような状況にあるのかという全体を俯瞰して学習を進めていく必要があります。
後半の中小企業政策に関しては、中小企業経営で学習した中小企業白書の内容に対して国や行政機関などがどのような政策を施しているのかということを学習していくのでまずは中小企業白書を学んでから後半の政策部分に入っていくのが良いでしょう。
よくある質問:中小企業白書は試験対策として読むべきか
結論、中小企業診断士試験の勉強において中小企業白書は読まなくても合格できます。
※テキストが中小企業白書を要約しているものになりますのでそれを読めば問題なしです。
筆者は受験時代、中小企業経営・政策の勉強で1度も読まずに試験に挑みましたが、78点で合格できました。
筆者の感覚としては、中小企業白書を読むくらいなら過去問やテキストを読んだ方が効率もいいですし、得点アップも期待できると思います。
とはいえ、中小企業診断士として活動をするうえで、地域や中小企業の課題を解決していく使命があります。
受験時代で合格には「必ず読むというものではない」ですが、1度くらいはサッと目を通しておいてもいい、というくらいですかね。
中小企業経営・政策のおすすめテキストと過去問題集
中小企業経営・政策のおすすめテキスト
おすすめのテキストはTACが出版しているスピードテキストです。
中小企業経営・政策のおすすめの過去問題集
テキストと同じところが出版している過去問を利用するのがベターです。
また、分野別に知識を整理しながら勉強するには過去問と合わせて下記のスピード問題集を利用するのがおすすめです。
中小企業経営・政策が苦手な方は通信講座の活用も検討しよう
経営法務がどうしても苦手な方は通信講座の利用を検討するのも一案です。
・テキストや過去問だけで文字のみで勉強してもなかなか理解ができない
・通勤通学時間を活用して苦手科目を克服したい
上記のような方におすすめの、中小企業診断士の通信講座はスタディング(STUDYing)と診断士ゼミナールです。
どちらもスマホで動画講義が見れてスキマ時間を活用して勉強が可能です。
詳しい比較は下記の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

なお、スタディングは1科目からでも受講できるので、弱点の補強に1科目だけで受講するというのが筆者のおすすめです。
中小企業診断士 中小企業経営・政策:まとめ
【本記事のまとめ】
・中小企業経営・政策は50時間程度で合格レベルにしたい。【最後1ヶ月でも得点が伸びやすい】
・補助の参考書などは不要【中小企業白書も読み込み不要】
・テキスト+過去問にとにかく取り組む!
以上となります。
