「どうやったら宅建の権利関係を得意分野にできるだろうか?」
「権利関係・民法の勉強法について知りたい」
「出題範囲についても知りたい」
権利関係・民法は宅建士試験の中でも、苦手意識が強い人が多い分野ではないでしょうか?
権利関係は暗記だけでは問題を解くことができないので、書いてある条文の意味や判例についての趣旨を理解する必要があります。
本記事では、そんな宅建士の権利関係・民法の分野でしっかり得点できるための勉強法について解説をしていきます。
難しい分野ですが、勉強自体は実生活に近いことや役立つことが多いので、楽しみながら勉強を続けていきましょう。
【本記事の内容】
・「権利関係・民法」の出題範囲を解説
・「権利関係・民法」の勉強法を解説
保有資格は、中小企業診断士、行政書士、宅地建物取引士、FP2級、その他各種資格試験。
宅建士試験は100時間の勉強時間・3ヶ月で合格。
宅建士 権利関係・民法の出題範囲
権利関係の出題範囲は以下のようになります。
・制限行為能力者
・意思表示
・代理
・無効
・物権変動
・抵当権
・売買契約
・賃貸借契約・借地借家法
・債権の譲渡・消滅
・連帯債務・保証債務
・その他の契約・不法行為
・相続
・建物区分所有法
・不動産登記法
権利関係の分野では、毎年14問程度出題されます。
宅建士試験では宅建業法に次いで2番目に多い出題数となります。
権利関係の出題内訳は民法8~10問、借地借家法2問~4問、不動産登記法1問、区分所有法1問です。
そして、民法の中で出題頻出が高いのは意思行為・相続・時効・連帯債務・不法行為ですね。
※なお、各科目・分野毎の配点を知りたい方は、宅地建物取引士の試験内容と配点は?【合格点は毎年変動します】の記事で解説していますので、本記事と合わせて確認してみてください。
また、出題範囲の詳細ではなく、すぐに勉強法のコツを確認したい方はこちらをクリックすることで移動できます。
権利関係の出題範囲①:制限行為能力者
「制限行為能力者と呼ばれるものの範囲」「制限行為能力者の法律行為の効力」などが出題されます。
【制限行為能力者の種類】
・未成年者
・成年被後見人
・被保佐人
・被補助人
上記の制限行為能力者ごとの特徴を暗記・理解しておく必要があります。
権利関係の出題範囲②:意思表示
申込の意思があっても、それが詐欺や強迫によるものだった場合どうなるか、そしてその関係者である第三者はどう守られるかなどが出題されます。
権利関係の出題範囲③:代理
代理権や複代理権、無権代理人がどのような代理権を持ってどのように作用するかが問題となります。
代理が成立する要件や無権代理の相手の対応をしっかりと理解しましょう。
権利関係の出題範囲④:時効
取得時効と消滅時効について問題が出されます。
時効の起算点や時効の中断についてしっかりと理解しましょう。
権利関係の出題範囲⑤:物権変動
不動産の物件変動について問題が出されます。
登記がなければ対抗できない第三者と登記がなくても対抗できる第三者の違いについてよく理解しましょう。
権利関係の出題範囲⑥:抵当権
抵当権とは何か、抵当権と根抵当権の違い、法定地上権の成立要件などが問題になります。
勉強する範囲が広いですが、過去の出題回数が多い分野ですのでしっかりと理解するようにしてください。
権利関係の出題範囲⑦:売買契約
売買契約の解除から売主の担保責任・瑕疵担保責任について問題が出されます。
契約の解除については過去の出題数が多い分野ですのでしっかりと理解するようにしましょう。
権利関係の出題範囲⑧:賃貸借契約・借地借家法
借地借家法からは2問問題が出ますので良く勉強して権利権の中でも得点源にしましょう。
借地権、借家権について問題が出されます。
しかし、勉強する範囲も広く覚えることもとても多いです。
権利関係の出題範囲⑨:債権の譲渡・消滅
債権譲渡の対抗要件、弁済、相殺について問題が出されます。
それほど過去の出題数が多くはない分野ですので深く考えずにしましょう。
権利関係の出題範囲⑩:連帯債務・保証債務
連帯債務の請求と承認の違いや、保証債務の特徴について問題が出されます。
これもそれほど過去の問題数が多くはない分野ですので深追い程度に勉強しましょう
権利関係の出題範囲⑪:その他の契約・不法行為
贈与契約、請負契約、委任契約の責任について問題が出されます。
不法行為については過去に出題数が多い分野です。
債務不履行と不法行為を比較しながら細かな数字までしっかりと覚えましょう。
権利関係の出題範囲⑫:相続
これも過去に出題回数が多い分野です。
どのような場合にだれにどれだけ相続するのかしっかりと理解しましょう。
遺言がある場合とない場合の違い、遺留分や相続放棄まで覚えましょう。
権利関係の出題範囲⑬:建物区分所有法
建物区分所有法からは1問出題されます。
共有部分と専有部分の違い、集会の招集や集会の決議については数字の暗記がでてきます。
1問取れる重要な分野です。
権利関係の出題範囲⑭:不動産登記法
登記記録の表示部分に関する内容、権利部分に関する内容などです。
ここからも1問出題されますし、実務でも大変重要な部分ですのでここでの1点も大切にしてください。
宅建士 権利関係・民法の勉強法
権利関係 勉強法で大事なこと①:学習初期は全体像把握に努める
権利関係の学習初期は全体像把握に努めるのが重要です。
なぜなら、民法という法律は「パンデクテン方式」でできているからです。
例えば、「売買契約」について知りたいと思って条文などの「売買契約」のみを調べるはNGな勉強のやり方です。
なぜなら、売買契約に関連することは「契約総論」や「契約各論」にも書かれており、「売買契約」の条文だけ見ても、書かれていないことがあるからです。
つまり、権利関係の勉強では点だけの勉強をするのではなく、点と点を線にしていくことが重要です。
なので、初学者はまずは全範囲を勉強することを優先して基本書を1周読み切った後に、詳細を詰めていく勉強をするようにしましょう。
権利関係 勉強法で大事なこと②:構成図を描いて、整理する練習を行う
権利関係の問題は、登場人物や対象物が多く関係性が理解しづらいです。
そのため、自分の手で問題文から構成図を書いて問題趣旨を整理することが重要です。
例えば下記の通り。
次の問題の正誤は?(H30年度出題)
AB間の売買契約が仮装譲渡であり、その後BがCに甲土地を転売した場合、Cが仮装譲渡の事実を知らなければ、Aは、Cに虚偽表示による無効を対抗することができない。
このような問題を見た際に、20秒ほどで下記のように手書きでまとめます。

こうすることで、問題の趣旨を素早く理解し、正確に自分の知識を使って解答することができるようになります。
もし、文章を読んでいても意味が頭の中で整理できなかった、という方がいれば構成図を描くようにしましょう。
権利関係 勉強法で大事なこと③:過去問演習に時間を使う
権利関係は理論を覚えて、実践(問題演習)で活かしていくことで得点力のアップに繋がります。
学生時代の勉強で言えば、数学に似ている分野とも言えるので、基本書を読んだだけでは得点力のアップは期待できないのです。
問題演習を繰り返すことで得点力をアップしていきましょう。
ちなみに、過去問は出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集がおすすめです。
正確な知識を身につけるためには、1問1答の問題集を活用するのがおすすめです。
さらに、出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集は、モバイル性も追求しており、ハンディサイズ書籍&アプリがついているため、出先での復習にも活用できます。
宅建士試験対策としては、必須の問題集と言えます。
※また、無料で過去問を解きたいという方は、過去問道場がおすすめです。
過去問道場は、過去20年分の過去問を解くことができ、解説もついています。
まとめ:権利関係・民法の勉強は早めに着手すべき
①学習初期は全体像把握に努める
②構成図を描いて、整理する練習を行う
③過去問演習に時間を使う
権利関係の分野は初めは取り掛かりにくく、苦手分野にされている方も多いです。
早めに勉強に着手し、上記の①~③を意識して得意科目にしていきましょう。
なお、各科目の得点計画を考えたいという方は宅地建物取引士の試験内容と配点は?【合格点は毎年変動します】の記事がおすすめです。
本記事と合わせてお読みください。
本記事は以上です。