法令上の制限の範囲の特徴
今回は、宅地建物取引士(以下「宅建士」)試験の内、法令上の制限について書きます!
法令上の制限の内容は身の回りの生活に密接していることが多いです。
しかし、あまり意識をしていない分、馴染みのない言葉が多くなっている範囲でもあります。
不動産取引法規定が中心の専門性の高い分野ではありますが、実際の自分の身の回りの環境などで考えていただきながら勉強をされると頭に入りやすいです。
受験する人の中には民法より難しいと感じる人も多いかもしれません。
馴染みのない言葉は多く出てきますが、試験の出題内容としては基本的な事項が多いため得点は比較的しやすい科目です。
宅建士試験の出題数50問のうち、8問出題されますが目安として5点を取れる状態を目指しましょう。
都市計画法や建築基準法は宅建士試験合格後の実務でも実務で生かされる分野であるためしっかりと勉強することをお勧めします。
出題範囲
法令上の制限での出題範囲は以下のようになります。
この中から例年都市計画法2問、建築基準法2問、国土利用計画法1問、農地法1問、土地区画整理法1問宅地造成等規制法その他法律1問が出題されています。
・都市計画法
・建築基準法
・国土利用法
・農地法
・土地区画整理法
・宅地造成等規正法
・その他の法律
※中村喜久夫氏 著 「スッキリわかる宅建士」より参照
都市計画法
都市計画法は法令上の制限の中で基本となる法律です。
実務知識として生かされる分野ですのでしっかりと勉強しましょう。
都市計画区域等では都市計画区域と準都市計画の違いをしっかりと理解しましょう。
用途地域は非常に重要な項目です。
全部で13種ととても多いです。
全部を一語一句覚えようとしないでそれぞれの地域の様子を想像しながら覚えていきましょう。
自分の住んでいる地域や親戚の住んでいる地域などを参考にして覚えると覚えやすいかもしれません。
区域区分は5つの違いをしっかりと理解しましょう。
開発許可は身勝手な開発を制限するための規定です。
難しい規定がとても多く難易度が高めです。
開発許可が不要な場合はどんな場合か、数字と一語一句暗記することが大切です。
語呂合わせなどで上手に暗記してください。
建築基準法
建築基準法という言葉は多くの人が知っている言葉ではないでしょうか。しかしとても難しい分野の一つです。
建築基準法には単体規定と集団規定があります。
単体規定とは建物の安全、衛生面等に関する規定で全国どこにでもある建物に適用されるものです。覚える数字や単語が多くありますのでしっかり暗記してください。
集団規定とは都市計画区域内や準都市計画区域内で適用されるものです。
建築確認が必要な行為、用途規制、建ぺい率と容積率や高さ制限など様々な暗記項目がありますが、2点取れる分野ですのでしっかりと勉強してください。
国土利用法
国土利用法とは地価高騰の抑制と国土の合理的利用を目的とした法律です。
事前届出と事後届出の違いについてよく勉強しましょう。
出題率が高いのは【事後届出】の方でしょう。
どの区域にどのくらいの大きさで誰が誰に届出をするかしっかりと把握しましょう。
語呂合わせなどでしっかりと覚えましょう。
農地法
覚えてしまえば比較的簡単な問題が出題されますので必ず得点を取りたいところです。
農地法に関しては農地法3条から5条の理解をしっかりとしましょう。
試験では農地を変更等する際に「○条の許可が必要であるか否か」を問われます。
どんな場合に何条の許可が必要であるかしっかりと頭の中に入れておきましょう。
土地区画整理法
土地区画整理法では、土地区画整理事業に関して減歩や換地、仮換地や建築等の制限など少し難しい分野になるので深入りしないで最低限のことだけ覚えておけばよいと思います。
自分の家の周りや、親戚の家の周りなど当てはまりそうな場所を想像してみて、考えるととても覚えやすくなるかもしれません。
民間施工の場合と公的施工の場合の違い、仮換地の指定の効力、換地処分公告の効果をしっかりと理解しましょう。
宅地造成等規正法・その他の法律
宅地造成等規正法は比較的難易度が低くとても点が取りやすい分野ですのでしっかりと数字と単語を合わせて覚えましょう。
規制区域内での宅地の造成の許可のポイントもしっかりと押さえましょう。
その他の法律では○○の許可が必要出題されれば知事、○○の届出が必要と出題されれば地町村長と一部の例外と軽い感じで覚えておけば大丈夫です。
試験までの勉強の仕方について
初期段階での勉強方法について
勉強を開始した当初はとにかく専門用語になれることが大切です。
数字の暗記や紛らわしい条文が出てきますので一つ一つ丁寧に覚えていきましょう。
基本的な問題が多いので深入りして勉強する事はありませんが勉強しただけ点数が取れる分野ですのでしっかりと勉強していきましょう
後期段階での勉強方法について
暗記事項をまとめてしっかりともう一度頭の中に入れる勉強をしましょう。
そして過去問をしっかりとといてちゃんと暗記できているかどうか確認しましょう。
時間のない人は思い切って自分の苦手とするもの(出題数1問)を捨ててしまって他の分野で得点をしっかり取るのも受験対策としてありかもしれません。
まとめ
法令上の制限はいかがでしたでしょうか?
人によって向き不向きが大きく分かれる分野だと思います。
勉強に時間をしっかりとかけた分、正解できますので得点もしっかり取りましょう。
確実に点がとれる分野ですので苦手だからといってあまり捨ててしまいすぎないよう十分気をつけてください。