・証券外務員一種と二種の違いが分からない
・証券外務員一種と二種のどちらを受験するか悩んでいる
本記事では上記の悩みを持つ方向けに、証券外務員一種と二種の違いについて解説していきます。
そもそも証券外務員がどんな資格かわかっていない方向けにも分かりやすくしていきますので、記事を読み終わればどちらの試験を受験するか決められるようになります。
地方銀行出身。大学生で証券外務員一種に合格。
保有資格は中小企業診断士、行政書士、宅地建物取引士、銀行業務検定各種2級など。
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証券外務員一種・二種の違い
そもそも証券外務員とはどういう資格なのか

証券外務員は、金融機関で、顧客へ金融商品の販売・勧誘等を行う際に必要になる資格です。金融商品とは例えば、株式や生命保険などのことです。
馴染みがあるところですと、証券会社や銀行、保険会社の営業マンや窓口担当は皆、証券外務員の資格を持って仕事をしています。
なお、証券外務員の試験に合格するだけでは、すぐに金融商品の販売や勧誘ができるようになるわけではなく、下記の手順を踏んで、初めて行えるようになります。
1.証券外務員試験に合格
2.所属している協会員を通じて外務員登録
3.外務員として活動している協会に属している会社や団体に所属する
※「外務員として活動している協会」とは証券会社や銀行などが基本的にそれにあたります。
また、証券外務員には「一種」と「二種」という2種類の資格があります。
下記で詳しく解説していきます。
証券外務員一種・二種の違い①:取り扱える商品と取引が違う
証券外務員二種 | 株式・国債・公社債・投資信託等のいわゆる現物を扱うことができる。 |
証券外務員一種 | 二種外務員が行える業務に加え、信用取引・デリバティブ取引などリスクの高い商品も含めて、金融商品取引に関する全ての金融商品を取り扱うことができる。 |
一種と二種の違いは取り扱える商品と取引の範囲です。
証券外務員一種のほうが二種と比較して、より複雑な金融商品を販売・勧誘ができる資格となります。
また、一種に合格すれば二種に合格しなくても、二種合格と同様の資格が得られます。
証券外務員一種・二種の違い②:試験内容が違う
二種 | 一種 | |
試験時間 | 120分 | 160分 |
出題数 | 70問 | 100問 |
出題形式 | ○✕問題:50問 五肢択一問題:20問 |
○✕問題:70問 五肢択一問題:30問 |
合格点 | 210点/300点満点 | 308点/440点満点 |
試験内容は上記のとおりとなります。
いずれも7割が合格ラインとなっており、一種試験のほうが二種と比較して出題数も試験時間も長いです。
また出題範囲は下記の違いがあります。⑦~⑪の部分が一種のみで出題されます。
出題内容 | 二種 | 一種 | 配点 |
①金融商品取引法及び関係法令 | ○ | ○ | 32点 |
②取引所定款・諸規則 | ○ | ○ | 12点 |
③協会定款・諸規則 | ○ | ○ | 46点 |
④株式業務 | ○ | ○ | 30点 |
⑤債券業務 | ○ | ○ | 40点 |
⑥投資信託の法律と業務 | ○ | ○ | 40点 |
⑦付随業務 | ○ | ○ | 10点 |
⑧信用取引 | ✕ | ○ | 22点 |
⑨先物取引 | ✕ | ○ | 42点 |
⑩オプション取引 | ✕ | ○ | 34点 |
⑪デリバティブ | ✕ | ○ | 30点 |
⑫株式会社法 | ○ | ○ | 20点 |
⑬財務諸表と企業分析 | ○ | ○ | 20点 |
⑭証券税制 | ○ | ○ | 20点 |
⑮経済・金融・財政の基礎 | ○ | ○ | 22点 |
⑯証券市場の基礎 | ○ | ○ | 10点 |
⑰セールス業務 | ○ | ○ | 10点 |
なお、出題範囲には違いがありますが、合格率については下記の通り、大差がありません。
▼2018年度の一種・二種の合格率
二種 | 一種 | |
受験者数 | 3,870名 | 4,872名 |
合格者数 | 2,573名 | 3,160名 |
合格率 | 66.5% | 66.1% |
証券外務員の「正会員」と「特別会員」の違い
証券外務員試験には一種・二種という違いの他に、「正会員」と「特別会員」という2資格があります。
・「正会員」とは証券会社向けの資格
・「特別会員」銀行や生命保険、損害保険などの証券会社以外の金融機関向けの資格
資格試験においては、証券会社に所属する職員であれば「正会員」の外務員資格を取得し、銀行などその他の金融機関の職員であれば「特別会員」の外務員資格を取得できます。
なお、一般の方でも受験ができるのは正会員一種・二種です。
初学者や金融機関以外の業種の方であれば正会員一種・二種のいずれかを選択するようにしてください。
※ここまで一種・二種の違いや会員の違いを説明してきましたが、申込を行う場合には、必ず下記のプロメトリックのホームページを御覧ください。
証券外務員資格試験(プロメトリック):http://pf.prometric-jp.com/testlist/jsda/jp/index.html
証券外務員一種・二種のどちらを受験するべきか

金融機関に勤務をする方・金融機関に就職しようと思っている方は、基本的に一種を目指すのがよいでしょう。
理由としては下記の通りです。
・合格率の差がない(難易度の差はやや一種のほうが難しい)
・二種から受験すると、受験料が二重でかかってしまう
また、大学生の方で内定先が決まっている場合には、内定先の人事にどちらを受験するのがよいか確認するとよいでしょう。
※金融機関に就職したり、転職したりする方以外で金融商品に関して知識を蓄えたい方は、二種のみでも十分に知識は習得できます。
証券外務員一種・二種の違いまとめ
【証券外務員一種・二種の違い】
・販売/勧誘できる商品や取引の範囲が異なる
・試験は出題範囲が異なるものの問題の難易度自体に大きな差はない(ただし、必要勉強時間は一種の方が多い)
・銀行などの金融機関に勤める場合は二種を飛ばして一種を受験するのがおすすめ
上記の通りとなります。
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