「中小企業診断士に合格した人は、独立する人が多いのか?」
「資格取得後のキャリアはどんなものがあるんだろう?」
中小企業診断士試験に合格した方が実際にどのような仕事をしているのか、そもそもどのような働き方があるのかは非常に興味がある方が多いです。
本記事では、中小企業診断士試験に合格した方や、これから目指そうとしている方、すでに勉強中の方に向けて、中小企業診断士資格の取得後のキャリアについて解説していきます。
【本記事の内容】
中小企業診断士の働き方・キャリアを解説
ちなみにこの記事を書いている筆者は中小企業診断士に合格後も、経理業務などの業務効率化コンサルティング会社のコンサルタントとして働いています。
知り合いにも中小企業診断士が複数いて、どのような働き方をしているかも知っているため、中小企業診断士のキャリア形成について解説していきます。
中小企業診断士試験合格後の働き方【データから見てみる】

独立よりも企業内で働くが最も多い

上記は中小企業診断士に合格した方向けに行ったアンケート調査の結果です。(J-Net21より引用)
結論として、企業内診断士として働いている方が54.5%、プロコン等が38.0%、その他が7.5%となっており、資格取得後も企業内診断士として活動している方が最も多いことが分かります。
※本アンケート調査では、1~3の方々を「プロコン等」、4~8の方々を「企業内診断士」として表現しています。
※中小企業診断士として取引先へコンサルティング業務を行っている方を「プロコン等」と捉えていただければと思います。
ちなみに、企業内診断士のうち30.9%が将来、診断士としての独立開業を予定しているとのアンケート結果もあり、企業内だけではなく社外向けにコンサルタントとして活動をしたい人が多いことが分かります。
中小企業診断士取得後のキャリア
中小企業診断士試験合格後に「プロコン」として働く方や「企業内コンサルタント」として働く方の割合はお分かりになられたと思います。
ここからは、具体的に「プロコン」や「企業内コンサルタント」などがどのようなことをしているのかを解説していきます。
個人事業主として独立・法人設立【プロコン等】
中小企業診断士試験の取得をした方は、一度は独立を考えられたことがあるのではないでしょうか。
独立をして働いている方々は下記のような仕事をしています。
・顧問先へのコンサルティング業務
・商工会議所などでのセミナーの実施
・他の独立仲間と業務提携し案件を補佐
・中小企業診断士向け勉強会の実施
他にも色々な仕事をしているかと思いますが、主なものは上記のようなものです。
顧問先へのコンサルティング業務に関してはさまざまな種類があります(経営戦略、人材育成、IT戦略、補助金・助成金、他の士業資格でのコンサル)。
コンサルティングは中小企業診断士試験を取得するだけで出来るようになるというわけではなく、「経験」が非常に重要となります。
ですので、これまでの社会人としてのキャリアが重要となります。
例1)小売店・飲食店で働いていた方
→小売業・飲食店向けコンサル
例2)ホテルで働いていた方
→ホテル向けコンサル
例3)広告会社やマーケティング会社で働いていた方
→SEOコンサル
さまざまな形がありますね。
中小企業診断士として独立したからには、上記のようなコンサルティングで顧客へ高付加価値を提供できる案件を作っている診断士が強いです。
補助金や診断士向け勉強会、商工会議所でのセミナーなどをやっている診断士は正直そんなに稼げないのが現状です(例外もいらっしゃいますが。。。)。
まずは。自分の得意分野は何かを考えましょう。
なお、自身の独立に向けてコンサルタント養成講座を受講する方も増えてきています。
約5万円で自身のコンサル商品づくりや集客方法の手法をプロのコンサルから学ぶこともできますのでコスパは悪くありませんよ。
気になる方は下記記事を合わせてご覧ください。

コンサルティング会社でコンサルタントとして働く【プロコン等】
この記事を書いている筆者は、この働き方に当てはまります。
自分の得意分野が何かわからない方は、まずはコンサルティング会社で働くことで自分の得意分野を身に着けることや、なにより「コンサルティングの型」を学ぶことが出来るのがメリットです。
「コンサルティングの型」とは、つまりサービス化された商品のことです。
コンサルティングとは目に見えないサービスを商品としていることが多いので、こういった目に見えないものに対してどうやって顧問先からお金を頂けるかが難しいです。
独立してから高単価の案件を受注することができない診断士は、まさにこのような「型」を知らない人が多いのでしょう。
よって、コンサルティング会社で働くことによるメリットは、目に見えないサービスをどのように売っているのかを学べることになります。
非常に厳しい業界ではありますが、とても自分自身を成長させることができますよ。
企業内診断士として働く
企業内診断士として働いている方は下記のように2つに分けることが出来ます。
①:会社の経営陣へアドバイスもしくは自部署のマネジメント
②:特に診断士としての働きもなく、通常業務のみをしている
企業内診断士として活動されている方の中では、①番目に当てはまるように仕事をしている方がいます。
企業内診断士として働いている方の事例や取組みについては中小企業診断士協会がまとめている「企業内診断士活動の先進事例集」を読んでみると面白いですね。
しかしながら、企業内診断士のうち、ほとんどの方々は②番目の当てはまります。
資格を取得したのにアウトプットしていないというのは非常にもったいないですね。
その他:就職活動へ活かす・副業で診断士活動をする
学生で取得をされる方も少なからずいます。そういった方は就職活動で活かしていますね。学生が中小企業診断士を取得するメリットや就職活動への活かし方は下記の記事で解説しています。

また、副業として土日にプロコンの方々をサポートしている人もいます。
よくあるのは補助金案件などについての資料作成のサポートやコンサル案件の資料作成などです。
実際の事例をもとに実務経験を増やせるとともに、お金ももらえるので一石二鳥ですね。
結論:自分がなりたい中小企業診断士像を考えよう

この記事を読んでいる中小企業診断士の方々、中小企業診断士を目指している方々は自分がなりたい中小企業診断士像をしっかり考えましょう。
どうなりたいかをイメージしておかないと、「中小企業診断士に合格したのに特に何もこれまでと変化がない」という状態になってしまいます。
自分のキャリアを形成するのは自分自身の考えや気持ちです。すこし立ち止まって将来を考えてみてはいかがでしょうか?
【中小企業診断士のキャリアを考える参考図書】
現在のビジネスシーンで活躍をしている、中小企業診断士を多く紹介。
中小企業診断士としての働き方を考えるサポート書になります。
30代の中小企業診断士の自身の仕事内容に触れている本。
実際の仕事の現場まで幅広く網羅されており、入門書としての一冊に最適。
中小企業診断士・コンサルタントとして具体的にどのように稼ぐのかを解説している。
独立を考えている診断士は、ミーコッシュの考え方に触れてみてはいかがでしょうか。