「行政書士試験を受験しようと思うが、合格率はどれくらいなんだろう?」
「最近の行政書士試験の合格率や難易度が易化してると聞いたのだけど本当だろうか」
「行政書士は今後本当に稼げる資格になるのだろうか?」
上記のような疑問に答えていきます。
【本記事の内容】
・行政書士試験の合格率の推移について【近年は合格率が上がっている】
・行政書士試験の合格率が10%付近と低いのか
・行政書士試験が近年易化している理由について
元銀行員で、現在はベンチャー企業で中小企業診断士の資格を活かしながらITツールを用いた業務効率化コンサルティングを行っています。
大学3年生で行政書士試験に2度目の受験で198点で合格。
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行政書士試験の合格率が低い理由は?
行政書士試験の合格率が低い理由は下記の2点です。
【行政書士試験の合格率が低い理由】
①行政書士試験は受験要件がない
②法律知識外の一般知識問題の足切り
③記述式形式への対応力が必要となる
合格率が低い理由①:行政書士試験は受験要件がない
受験要件:年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。
※一般財団法人行政書士試験研究センターより
1つ目の理由は、「行政書士試験は受験要件がない」ということです。
受験要件がないので、法律知識の全くない方でも挑戦することが出来ます。
たとえば、他の法律系難関国家資格ではどうでしょうか?
司法試験では法科大学院を卒業するなどの受験要件が必要となっていますし、社労士試験でも学歴要件や実務要件などが設けられているので、誰でも受験することができないようにフィルターがかかっています。
他の多くの国家資格は受験者フィルターをかけているが、行政書士試験はそのフィルターをかけていないのです。
つまり、誰でも受験することができる分、受験者数は多いが、受験者の質が他の国家資格と比較すると少し低めであるということです。
これが、行政書士試験の合格率が低い要因の1つです。
合格率が低い理由②:法律知識外の一般知識問題の足切り
行政書士試験の合格率を下げている要因の2つ目は、一般知識や記述式形式の問題が出題されることが挙げられます。
<各科目の足切り基準>
・法令等では、244点満点で122以上(50%以上)の得点
・一般知識では、56点満点で24点以上(40%以上)の得点
一般知識は、300点満点のうち56点を占めており足切り要件として正答率40%以上が必要となります(出題内容は、政治・経済、個人情報保護法について、国語等)。
法律知識を勉強するために行政書士試験を目指される方がいる中で、この一般知識が足を引っ張って合格できないということが非常に多く、受験生を悩ませているのです。
合格率が低い理由③:記述式形式への対応力が必要となる
行政書士試験では、300点満点のうち60点が記述式問題です。
記述量としては多くないのですが、文章を書くのが苦手な受験生を悩ませています。
選択式の問題で良い点数が取れたとしても、記述式で上手く点数が取れずに合格点に到達できないケースも多いのです。
・行政書士試験は受験要件がない
・法律知識外の一般知識問題の足切り
・記述式形式への対応力が必要となる
<【参考】行政書士試験の配点は下記の記事を参照>

行政書士試験の合格率の推移は?
行政書士試験の過去10年間程の合格率の推移
上記は平成20年~平成30年までの行政書士試験の合格率の推移です。
行政書士試験は数年前であれば合格率1桁の難関国家資格のイメージでしたが、実は直近4年間では合格率が10%を超えてきています。
上記の期間での合格率平均は9.9%と1桁となっていますね。
行政書士試験の都道府県毎の合格率
行政書士試験の合格率は都道府県ごとで意外と差があります。
【平成30年試験の都道府県合格率】
・1位:東京都(15.7%)
・2位:滋賀県(14.2%)
・3位:大阪府(13.9%)
・4位:兵庫県(13.8%)
・5位:埼玉県(13.5%)
※47都道府県別の合格率一覧はこちら(H30年度分)
都道府県別の合格率では東京都が15.7%と最も高く、首都圏や関西圏の都道府県が平均して合格率が高くなっています。
ちなみに合格率が最も低いのは、青森県で8.1%でした。
首都圏や関西圏では大手資格学校などが行政書士受験講座の開講していることが多く、勉強する環境が整っているため合格率が高くなっています。
行政書士試験が易化している理由について
行政書士試験の受験者数が減少しているから
行政書士試験の合格率は10%前後と推移していますが、近年では過去と比較して合格率が高い傾向にあります。
その1つの理由として「行政書士試験の受験者数が減少している」ことが挙げられます。
・受験者数:減少
・合格者数:ほぼ変動なし
近年では行政書士試験の受験者数が減少している、つまり資格の人気が下降している状態です。
その一方で、合格者数は絞り込みを行っていないため、合格率が高くなってきています。
受験者数が減少している原因は?
受験者数が減少している原因には下記があると考えられます。
【行政書士試験受験者数の減少要因】
①景気が上昇傾向にあるから
②行政書士の仕事が飽和状態で稼げない人が多いから
③上記に付随してAI(人工知能)に代替される可能性が高いから
①景気が上昇傾向にあるから
資格の人気が高まっていくのは基本的には不景気の時です。
現在は緩やかではありますが景気は上昇傾向にあるため、わざわざ資格を取得しなくても就職がしやすい状態にあります(あと、人手不足も要因ですね)。
よって、行政書士試験もその影響で受験者数が減っているのではと考えます。
※受験者数が上昇している資格も一部ありますが、後述のAIに代替されない資格が多いです。
②行政書士の仕事が飽和状態で稼げない人が多いから
2つ目の理由は行政書士試験を取得しても、年収が上がるイメージが湧きづらいからですね。
せっかく、難関資格を取得しても年収300万円未満の人が結構います。
これからの時代は資格だけあれば、すぐに稼げるような時代ではないので、どのように行政書士という資格を活用しながらビジネスを展開していくかをしっかり考える必要がありますね。
③AIに代替される可能性が高いから
【AIによる代替可能性の高い士業】
1位:行政書士(93.1%)
2位:税理士(92.5%)
3位:弁理士(92.1%)
上記は、2015年のオックスフォード大学と野村総合研究所の「AIによる代替可能性の高い職業」からの調査になります。
形式的な事務作業による作業が代替されると言われていますが、まさに行政書士もそのような仕事の1つに分類されています。
これからの時代は、「資格だけ取ったら安泰」とか「事務代行している」のような仕事をするのではなく、顧客ニーズに合った提案などができるコンサルタント的な働き方が重要になってきます。
「行政書士の知識×コンサルタントの思考」を身に着けることで、AIに代替されない高付加価値の仕事を提供できるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
・行政書士試験の合格率は上昇傾向
・なので、今が受験するならチャンスと言えます。
・とはいえ、行政書士の仕事はAIに代替されるかも?
・どんな資格も取っただけでは無意味。
・「知識×コンサルタントの思考」を大事にして働きましょう。
上記が、本記事のまとめになります。
行政書士の資格がAIに代替される可能性が高いとはいえ、行政書士試験で身に着ける法律知識は必ず活きるものですし、勉強して損になる資格なんてありません。
とはいえ、資格を取るだけでもNGでしっかりとお客様の課題を解決したりニーズを満たす付加価値を提供できる「コンサルタントの思考」を身に着けていくことが大事です。
今現在、行政書士を目指している方は、今が合格しやすいチャンスですので自分の夢に向かって全力で頑張ってください!
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