・行政書士試験の民法の出題内容や配点が知りたい
・初めて行政書士試験を受験したいけど、行政書士試験における民法の勉強法が分からない
・どれくらい民法に注力すればいいのか分からない
上記のような疑問にお答えしていきます。
【本記事の内容】
・行政書士試験の民法の出題内容と配点を解説
・行政書士試験における民法の勉強法について
・民法にかける勉強時間について
ちなみに筆者はH25年度行政書士試験に当時大学3年で合格しました。
私自身が受験当時に意識していた、民法を学習するうえでの勉強方法についてお伝えしていきます。
元銀行員で、現在はベンチャー企業で中小企業診断士の資格を活かしながらITツールを用いた業務効率化コンサルティングを行っています。
大学3年生で行政書士試験に2度目の受験で198点で合格。
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行政書士試験の民法の出題内容と配点

行政書士試験における民法の出題範囲
【民法の出題範囲】
・総則→民法共通で当てはまることをまとめているもの
・物権→「物」に対する権利をまとめているもの
・債権→「契約」を中心としたルールをまとめているもの
・親族・相続→結婚について遺言・相続などをまとめているもの
民法の出題範囲は大きく上記の4つに分かれます。
物権における物は例えば、家や土地もしくは洋服などのことを言ったり、債権における「契約」は人と人の約束事についてのことを言ったりします。
つまり、民法というのは私たちの生活に最も身近なことを規定している法律です。
行政書士試験の民法の配点

まずは、試験全体に占める民法の配点から解説します。
行政書士試験は300点満点ですが、民法の配点はそのうち76点となります【5択:36点、記述式:40点】
全科目の中では、行政法の112点の次に配点が高い科目となります。
次に、民法の【5択:36点】の中の配点ですが、例年下記のような出題となっています。
【民法の5肢選択式の配点(目安)】
・総則→2問
・物権→2問
・債権→4問
・親族・相続→1問
民法の問題は複合形式の問題も出題されるため、あくまで目安程度として見ていただけたらと思いますが、出題が多い債権分野に注力するのがよいです。
記述式については範囲のバラツキがありますが、例年2題(各20点満点)出題されます。
行政書士試験における民法の勉強法について

【民法の勉強のコツ】
①民法の条文に加えて、関連判例を読むようにする
②テキストで学習するときも、問題を解くときも関係図を必ず書く
③問題集を解く→テキストの該当箇所を読み込むの順番で進める
行政書士試験における民法の勉強法では上記の3点が重要になります。
ここから1つずつ深掘りしていきます。
勉強法①:民法の条文に加えて、関連判例を読むようにする
民法を勉強していく中で重要なのは、民法の条文そのものだけではないです。
民法が規定している内容が実際の裁判でどのような解釈をされて、どのように適用されたのかを知る必要があります。
なぜなら、過去の出題を振り返った場合、条文の暗記で解ける問題だけでなく判例を知らないと解答にたどり着けない問題が多くあります。
例えば、実際に平成30年度に出題された物権に関する過去問の1つの選択肢を見てみましょう。
問:抵当権の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
選択肢①:抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。
上記の選択肢は「×」となります。
解説:抵当権の対抗要件があれば、原則として、抵当権をつけた不動産(宅地)にある従物(例:灯篭・庭石)にも、抵当権の効力があることを第三者に主張できる、という判例(最判昭44.3.28)があります。
上記の理由から、民法の条文に加えて関連判例を覚えなければ解けない問題もあるため、しっかりと判例も読み込むようにしましょう。
勉強法②テキストで学習するときも、問題を解くときも関係図を必ず書く
これも非常に重要な勉強法であり解法にもつながってきますが、関係図を必ず書くようにしましょう。
なぜなら、民法は、選択肢の文章が長いため、関係図を書かないと選択肢をしっかり頭に入れた状態で回答できません。
たとえば下記のような登場人物が複数いる問題が債権分野ではよく出題されます。
(平成30年 問33)
問:Aに雇われているBの運転する車が、Aの事業の執行中に、Cの車と衝突して歩行者Dを負傷させた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。なお、Aには使用者責任、BおよびCには共同不法行為責任が成立するものとする。①AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、Bに故意または重大な過失があったときに限ってBに対して求償することができる。
②AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってCに対して求償することができる。
③CがDに対して損害を全額賠償した場合、Cは、Bに対してはB・C間の過失の割合によるBの負担部分について求償することができるが、共同不法行為者でないAに対しては求償することができない。
④Cにも使用者Eがおり、その事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、AとEがそれぞれ指揮監督するBとCの過失の割合によるCの負担部分についてEに対して求償することができる。
⑤BがAのほかFの指揮監督にも服しており、BがAとFの事業の執行中に起きた衝突事故であった場合に、AがDに対して損害を全額賠償したときは、Aは、損害の公平な分担という見地から均等の割合に限ってFに対して求償することができる。
解答については省略しますが、こういった登場人物が複数いる場合には関係図を可視化しないと文章が非常に読みづらくなります。
ですので、しっかりテキストでも問題を解くときでも、関係図を書くようにしましょう。
筆者はこれを意識してから、民法が得意分野に変わりました。
勉強法③:「問題集を解く」→「テキストの該当箇所を読み込む」の順番で進める
どのような試験でも共通する事項ですが、まずは問題集を解いてからテキストを読むようにしましょう。
出題される相手(問題)が分からない状態でやみくもにテキストだけを読んでも、ゴールがないマラソンをしているようなものです。
ですので、まずは問題集でどのような問題が出るのかを把握し、実際に解いてみた後に解説を読みながらテキストも読んでいくようにしましょう。
行政書士試験 民法にかける勉強時間について
民法は行政書士試験の中で最も時間をかけるべき科目です。
なぜなら、行政書士試験は民法と行政法が満点であれば合格点の180点を超える試験です。行政書士と民法が不得意では合格が難しいのです。
行政法は暗記が中心となり、実力をつけるために民法ほど時間はかかりません。
一方で、民法は得点力をつけるために時間が非常にかかります。
得点力の伸び方としては最初が伸びづらく、あるとき急に得意科目に変わっていくイメージです。
ですので、行政書士試験の中では民法はできる限り早めに勉強を着手して理解を深めることが重要です。
行政書士試験の民法の勉強法 まとめ
・民法の配点は行政書士試験で行政法の次に高い
・行政法よりも理解が求められるために得点が上がるまでに時間がかかる
【意識する勉強法】
①民法の条文に加えて、関連判例を読むようにする
②テキストで学習するときも、問題を解くときも関係図を必ず書く
③問題集を解く→テキストの該当箇所を読み込むの順番で進める
上記の通りとなります。
何度も言いますが、民法は得点が伸びて安定するまでに時間がかかります。
早い時期から理解を積み上げていくことでしっかりと本番で得点できるようにしましょう。
今回は勉強法について話しましたが、勉強のおすすめ教材については下記の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

なお、通信講座のおすすめを知りたい方は下記記事をどうぞ。
