銀行業界に就職したら、必ずと言っていいほど「銀行業務検定を受験してください」と言われます。
筆者の以前勤めていた銀行では銀行業務検定の試験結果がよろしくない方は本部に呼び出しされていました(支店が営業している日に呼ばれていますから、支店で一緒に働いている人にも迷惑がかかってしまいますね。)
本記事では、そんな銀行員なら一度は頭を悩まされたことのある銀行業務検定に合格するための勉強法について書いていきます。
◆このようなことを知りたい方に読んでほしい
・銀行業務検定試験を受験するんだけど、どうやって勉強すればいいんだろう?
・銀行業務検定の最短の合格法は?
・テキストと問題集があるけど、どちらも買っておいた方がいいの?
・どれくらいの勉強時間があれば合格できるの?
また本記事では各科目のうち、最も難しいとされている2級科目に絞って解説していきます!(銀行業務検定には1級がないんです)
実際に自分が勉強をして感じた効率的な勉強法についてまとめていきます。


銀行業務検定の勉強法の鉄則:合格が目的!っていう人はテキストは買う必要なし
銀行業務検定2級の対策としては過去問をやり切るというのが一番の近道になります。
それは、銀行業務検定2級の試験が以下のような特徴があるからです。
①論述形式である(一部、択一式もあります)
②過去問と同じ解法で解ける問題がほとんど(つまり過去問が重要です)
③参考書は合格のためには必要ない
特に②の部分はもう少し大雑把な言い方に変えると、銀行業務検定は「学校の定期試験」と似ています。
なので、対策をした人がいい点を取りやすく、逆に対策をしていない人は合格することが難しいです。
銀行業務検定では、実務に詳しい30代~40代の役職がある方も受験されますが、勉強していない人は30点~45点くらいの点数を平気で取っていました。
一方で入行1年目の行員でも90点以上を取っていたので、銀行業務検定試験では銀行員での経験だけではなく、銀行業務検定の為の対策をしたかどうかが非常に重要だということが分かります。
学校の定期試験と異なるところは、「過去の定期試験の問題(過去問)」を購入して勉強することができるため、過去問で対策していれば十分合格できますし、テキストも必要ないというわけです。
ここまでの話が本記事で最も重要な部分ではありますが、ここからは各科目別の対策方法について記載していきますね!
銀行業務検定財務2級の勉強法
財務2級は銀行員が普段の業務の中で最も関わる科目です。
【試験内容】
合格基準:100点満点の試験で60点以上を取れば合格
試験時間:3時間
持ち込み:電卓は可能(ただし、関数機能付きなどはNGとなります)
出題内容:財務諸表5問・財務分析5問(計10問)
出題形式:計算問題・論述を求められる問題の大きく2つ
試験の特徴:計算問題が主。回答が一つに決まっているので、その答えをしっかり導き出せるようになる必要があります。また、文章のみの論述問題もあります。
財務会計は最終的に1つの解答まで導き出せるように解法を学ぶ必要があります。
勉強中は解答を見ているだけでは解けるようになりませんので、分からなくても自分でノートに書いていくこと、計算になれることを意識して勉強するとよいです。
試験の対策としては試験の2ヶ月前から取り組みを開始できれば十分間に合います。
まず初めに、過去問3回分を解いてみよう!
試験勉強を開始したら、まずは上記の銀行業務検定問題集(財務2級)過去問3回分を答えを見ながらでも良いので解きましょう。
はじめは分からなくても問題ないので、とにかく3回分を解いてみることが重要です。
3回分やってみると同じような問題が繰り返されていることがわかると思います。
繰り返し出題されている箇所で満点近く取れるように勉強を進めていくことが重要になるので、勉強の初期段階でどのような問題が多く出題されるかという傾向をつかみましょう。
後半5問(財務分析)の方から勉強しましょう!
前半5問(財務諸表)よりも後半5問(財務分析)の範囲の方が圧倒的に得点しやすいです。
なぜなら、過去問で出題された内容が数字だけ変えて出題される問題が多いからです。ですので、過去問を繰り返すことによって、確実に得点することが可能です。
出来れば後半部分の5問で40点(最低でも35点)が取れるように勉強しましょう!
後半部分の財務会計で40点を得点できれば、前半は20点でよいので結構楽に合格できる状態を作ることができます。
問4は優先順位は最も低い
問4は資産除去債務や税効果会計、リース会計など特殊な問題が出題される傾向が強く、毎回の試験で受験者平均点はかなり低いです。
出題内容が毎回変わってくるため、対策が取りずらいので試験の1~2週間前あたりから軽く対策をとるで十分です。
まとめ
財務2級は計算問題が多く、計算になれるということが多い一方、論述形式もあります。
論述形式はほとんど暗記によって対応が可能なため、過去問の解答から型(例えば、「流動比率が高いため、◯◯である」など)を見つけましょう。
基本的に過去問3周を行い、型を覚えれば落ちることのない試験ですからしっかり対策を行って万全の体制で試験に臨みましょう!
銀行業務検定法務2級の勉強法
【試験内容】
合格基準:100点満点の試験で50点以上取れれば合格。
試験時間:3時間
持ち込み:金融取引小六法(書き込みは禁止)
出題内容:預金・手形と小切手(手形交換を含む)・融資(担保・保証、管理・回収を含む)
試験の特徴:択一式20点、論述80点
この科目では過去問以外に、金融取引小六法も購入しましょう。
試験には金融取引小六法を持ち込みすることが出来ますので、購入は必須です。
基本的な問題構成として大問10題で各大問の設問1が択一問題となります(配点2点)。
残りの8割部分がすべて論述式での回答となります(法務は試験時間いっぱいまでひたすら書きまくるっていう試験になるので、試験後には手が痛くなっていることと思います笑)
試験勉強の開始時はとりあえず過去3回分を解いてみる!
これは財務2級と同じです。テキストの購入は必要ないので、下記の問題集を3回分解いてみましょう。
3回分が解き終わったら、どの論点が頻出なのか分かります。そこから頻出論点に絞って記述ができるようになりましょう。
金融取引小六法の使い方
金融取引小六法は最新のものを使いましょう。
これは法改正などがあると金融六法は内容が変わるので、古いものだと内容が最新のものと異なる可能性があるからです。
過去問を解きながら、必ず横に金融取引小六法を置いて、随時どこに記載しているのかを確認しましょう。
試験本番も金融取引小六法の持ち込みができます。
試験中には「この論点は〇〇法の〜〜条あたりに記載があるな」ということをある程度覚えておく必要があります。
法務2級は解答に書くボリュームが多いので、出来る限り該当の箇所を早く見つけることが重要です。
銀行業務検定税務2級の勉強法
【試験内容】
合格基準:100点満点の試験で60点以上取れれば合格。
試験時間:3時間
持ち込み:電卓(ただし、関数機能付きなどはNG)
出題内容:所得税・相続税・贈与税・法人税など
試験の特徴:択一式20点、記述計算80点(一題につき択一部分2点、記述計算部分8点
【注意点】年に1度しか受験がない
税務2級で一番気にしていただきたいのは、年に1度(3月のみ)しか受験機会がないことです。
銀行から必須科目として指定されている場合には、3月しか受験できないことを考えて他の必須科目との勉強の順番を意識しましょう。
また筆者の感覚では税務2級は財務や法務と比較してかなり難しいです。。(僕の同期はだいぶ落ちていました。。)
対策には試験日の2か月前からは勉強を開始するようにしましょう。
財務と法務と同じく過去問はやはり重要ですので下記の問題集は最低でも3周回すようにしましょう。
税務2級のように、年に1度しか受験チャンスがないものもあります。
しっかりとしたスケジュールを組み立てて勉強をしたい方は下記記事を参考に、自分なりの銀行業務検定受験スケジュールを設計してみましょう。

試験本番では計算過程を記述しなければいけない
本番は計算過程を記述します。
財務会計と同じくらいの計算量もしくはそれ以上の計算量が必要になってくるので、計算過程はしっかりと理解して自分で記述していけるかどうかが非常に重要です。
なので、過去問を解きながら計算過程を覚えていきましょう。
解答をみながら実際に手で書いてみることが本当に重要です。
また、試験本番では最終的な答えを導き出せなくても、計算過程のみで部分点が出るのでとにかくわからなくても書きまくることが重要です。
銀行業務検定2級科目に合格するための勉強時間は?
ここまでで、各科目の勉強方法をまとめてきましたが、実際に合格するためにはどれくらいの時間が必要かを解説していきます。
結論、各科目60時間あれば合格可能です。
おおよそ試験の1か月前から試験勉強を開始して、1日2時間程度の勉強を積み重ねていきます。
問題集には過去10回分程度の本試験問題があります。
1周目は理解をしながら、解答を考えていくことが必要ですし、解説を読む時間も長くなるため、おおよそ3時間程度をかけて1回分の過去問を解くイメージです。
なので、1周目で30時間前後の時間をかかります。
2周目以降はすこし解くための時間が少なくなっていきます。
※勉強時間は60時間程度となりますが、それよりも「過去問3周」の方が大事です。
過去問を3周するためにどういうスケジュールで勉強をスタートするかを意識しておきましょう。
まとめ
①論述形式である(一部、択一式もあります)
②過去問と同じ解法で解ける問題がほとんど(つまり過去問が重要)
③参考書は合格のためには必要ない
銀行業務検定に合格するためにはこの3点をりかいしておくことが、とにかく重要です。(本当に重要なので何度も書いています)
過去問を買って、解答を見ながらノートに写していくぐらいの感覚で解けるようになるので一問に時間をかけすぎずに頻出論点を何周も繰り返す勉強をしていきましょう。
それでは皆様が無事合格できることをお祈りしています!


