「銀行業務検定に挑戦しようと思うが、どれくらいの難易度なのか知りたい。」
「3級と2級の難易度の差はどれくらいあるの?」
上記のような疑問について解説していきます。
【本記事の内容】
・銀行業務検定の難易度について
・銀行業務検定の2級と3級の難易度の違いについて【実はそんなに難易度の差はない】
ちなみに、本記事を書いている筆者は銀行業務検定試験に銀行員として入行して1年目で、財務2級・法務2級・税務2級・外為3級をそれぞれ一発合格しました(優秀賞も獲得)。
僕自身が感じた銀行業務検定の難易度を解説していければと思います。
※試験の難易度だけでなく、銀行業務検定の勉強法を知りたい方は下記の記事をチェックしましょう。

そもそも銀行業務検定試験とはどんな試験?

「銀行業務検定試験」は、主として銀行・保険・証券等金融機関の行職員を対象に、業務の遂行に必要な実務知識および技能応用力についてその習得程度を測定することを目的に、さらには実務能力水準の向上に寄与することを願って1968 年2月からスタートした公開の検定試験です。
上記は、銀行業務検定試験を主催している銀行業務検定協会より抜粋したものです。
1968年からなので50年以上も金融機関の職員が受験してきた歴史のある試験ですね。
1-1.銀行業務検定の科目
財務、法務、税務、外為、融資渉外など銀行員に必要な36種目の科目があります。
どの銀行も受験を推奨・もしくは必修化されているかと思いますが、メインとなるのは財務・法務・税務・外為あたりです。
1-2.試験日程について
【受験月】
・3月
・6月
・10月
上記のように年間で3回の受験機会があります。
ただし、科目によって受験月が異なるので、自身が受験したい科目が直近の試験日程にあるかは確認が必要です。
金融機関で必修科目として指定されている場合には、スケジューリングをしっかり行いましょう。

銀行業務検定の難易度と合格率
2-1.銀行業務検定3級の難易度と合格率は?
【財務2級】
2018年6月実施:27.7%
2018年3月実施:42.3%
2017年6月実施:34.0%
【法務3級】
2018年10月実施:33.3%
2018年06月実施:33.3%
2017年10月実施:30.3%
【税務3級】
2018年10月実施:35.9%
2018年06月実施:27.9%
2017年10月実施:38.4%
上記のように、財務3級や法務3級では合格率は30%前後くらいになります。
また、銀行業務検定の3級試験の特徴はマークシート試験です。
難易度は金融機関に就職された方にとっては高くはありませんが、勉強を怠ると落ちてしまいます。
金融機関で10年以上働かれている方でも、勉強せずに受験している方は不合格になることが多いです。
しっかりと対策は行いましょう。
2-2.銀行業務検定2級の難易度と合格率は?
【財務2級】
2018年10月実施:25.5%
2018年06月実施:19.9%
2017年10月実施:37.1%
【法務2級】
2018年10月実施:22.1%
2018年06月実施:25.0%
2017年10月実施:28.2%
【税務2級】
2018年10月実施:22.9%
2018年06月実施:21.6%
2017年10月実施:22.3%
上記の様に2級の試験では合格率の平均は25%くらいになります。
2級試験の特徴としては筆記・論述形式が入ってくるという点です。
論述形式といっても、毎回の試験での頻出項目は”書き方”がほとんど定型的であり、繰り返し同じ問題が毎年出題されるので、過去問の対策を行えば合格が可能となります。
2-3.結論、2級と3級の難易度の差はあまりない【回答形式が違うくらいです】
ここまでで2級と3級の合格率は難易度を見てきましたが、合格率では3級が30%程度、2級が25%程度とほとんど変わりません。
正直なところ、僕が受験をしてきた実感としては「2級と3級の難易度はほとんど変わらないです」。
なぜなら、銀行業務検定という試験の特性として「学校の定期試験」と似ていて、勉強すればするほど点数が伸びやすいことと、「3級と2級は解答形式の差であって出題範囲はほとんど同じ」であるからです。
「学校の定期試験」と表現をしているのは、過去問と同じような問題が出題されるということです。つまり、過去問を演習しておけば、ほとんどの問題は正答できるはずの問題ということです。
このように、2級と3級は学習する内容の難易度はほとんど変わらないです。
しいて言えば、論述式であるという点のみが2級科目を難しくしている要因であると言えます。
受験するなら2級から受験するで問題なしです。無駄にお金もかかりません。
銀行業務検定試験の難易度ランキング
銀行業務検定の中でも特に受験者数が多い下記5科目の難易度ランキングは下記の通りです。
1位:外為2級
2位:税務2級
3位:年金アドバイザー2級
4位:法務2級
5位:財務2級
難易度については各科目の合格率と筆者が実際に受験して感じた難易度を元にランキング付けしています。
1位は外為2級です。
外為2級は貿易関連の知識が多く出題され、暗記する内容が非常に多いです。
また、前提となる知識にもよりますが銀行員でも外為業務を実際に行っている方は少なくなってきています。
上記の理由から外為2級が最も難易度が高いと言えるでしょう。
2位は、税務2級です。
こちらも計算問題が多い科目となっていること、計算過程が非常に複雑であることから非常に難易度が高いです。
筆者の同期も数多く受験していましたが、最も不合格者の割合が多かったことから2位とします。
3位は年金アドバイザー2級です。
実際に支給される年金の額を計算して解答する内容となっており、税務2級と同じく細かい税計算の問題が出題されます。
4位は法務2級です。
こちらは、計算問題はほとんどありませんが、法律の勉強をされたことのない方にとっては馴染みのない言葉が多く出てくるでしょう。
また、本試験の3時間以内に解答をまとめきるのも大変で、試験時間内に書ききれない方も多いです。
5位は財務2級です。
これらの科目の中では、銀行員としてかなり馴染みの深い内容となっているため5位としております。
とはいえ、初めて財務会計領域の学習をされる方にとっては難しく感じますので、過去問を活用してしっかり対策を行いましょう。
銀行員の必修試験と難易度を比較する
銀行業務検定は学校の定期試験のように勉強すればするほど得点が上がるため、難易度はそこまで高くないという話をしてきました。
ここからは、金融機関職員で必修とされることが多いと試験と比較した難易度について解説していきます。
・銀行業務検定2級試験>証券外務員第一種=銀行業務検定3試験>生保・損保試験
上記のように、銀行業務検定の3級試験はおよそ証券外務員試験と変わらないくらいです。
銀行業務検定2級自体は、銀行業務検定3級とは内容自体の難易度は変わらないものの、論述式であるという点を含めると、少しだけ難易度が上がります。
以上から、将来的に2級科目を目指すという方であれば、学習する時間も変わらないですし、合格率も大差がないので、3級科目を受験せずに2級科目を受験された方が効率的ですのでおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
金融機関に就職した方であれば、誰もが受験することになる銀行業務検定試験の難易度について解説してきました。
出世を目指すのであれば、まずは絶対に超えなければいけない壁ですのでしっかり勉強して合格しましょう。

